STAGE2 Back Number
タイトルをクリックすると、その物語のトップにジャンプします。
お好きなコンテンツをお楽しみ下さい!


杉林恭雄の珠玉のショートストーリーシリーズ

「YUMI」

「KOU」

「UMI」

「NAOKI」

「MICHIRU」

杉林恭雄氏のブログも、ぜひ訪問してみてください。
きれいなイラストと美しい散文が毎日アップされていますよ。(事務局大推奨)
くじらテレビもぜひ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

全編完結の連載小説はこちら!

「走る女」 by 田村充義
バブル絶頂期に知り合い、やがて別れてしまった恋女房。
オレは神宮外苑の周回路を走る彼女に、時を隔て再び出逢った。
Mid40世代の恋愛小説。

「ゾロ目の法則」 by 田村充義
小さな出版社でバイトをしていたわたしは、占い本の企画をしただけだったのに…。
いっぺんに訪れた歌手デビューと恋。さて気になるその行方は?

「宇宙の3犬人 〜Three Dog Knights」 by 田村充義
あなたの愛犬が、宇宙からの使者だったりして…。

「女子アナオールスター 」 by 田村充義
原宿に愛をはぐくむ縁結びの美容室があるとか…?!

「ゲンジツトウヒローのダックウォーク」 by 田村充義
エアギターに賭ける青春物語…。

「30年目のガールズトーク」 by 田村充義
45歳、独身。
30年後のクラスメイトたちの恋の行方は?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


田村充義氏の新作、
聞き録り屋と買い取り屋」完結。

平凡この上ない僕が始めたアルバイトとは…?

////////////////////////////////////////////



◆このブログが気に入ったら、つぶやいてみんなに知らせてください。

2009年08月08日

宇宙の3犬人〜Three Dog Knights <1>

Story by 田村充義




宇宙の最果てにある銀河系のそのまた果てに位置する1111惑星の存在を知っているのは、万物の支配者である神とそこに居住する3犬人のみである。
その惑星のどこかで、今まさにその3犬人が揃い定例の会議を始めようとしていた。
威風堂々としたその姿は周囲を圧倒し、見る者全てに畏敬の念を抱かせる。
ただここには3犬人しかいないので、せっかくの威圧感も宝の持ち腐れというわけだ。
彼らは犬と言うよりも、獅子に近い容姿をしている。
ここだけの話、エジプトのスフィンクスは彼らをモデルにして作られたのだ。
地球には人類よりも先に犬が存在していて、後に誕生した人類を陰で操りここまで大きい存在に育て上げたのだから、それ位の痕跡が残るのは当たり前というもの。
3犬人は、実は仲のよい兄弟だった。
長男の名はケンタウルス、次男はケーン、三男はケンシロウ。
神話や童話や歴史物語などのうち、犬にまつわる伝承のほとんど全ては彼らの仕業と言っていいだろう。

3犬人は気が向くと、人間たちの住む地球に舞い降りるのが大好きだった。
その時は、どこにでもいる普通の犬に変身するので誰も気づく者はいない。
最近の3犬人の変身のお好みは、ケンタウルスはゴールデンレッドリバー、ケーンはシュナウザー、ケンシロウはトイプードルだった。
実は先ほどから、それぞれお気に入りの犬の姿になり庭に顔を向けて寝そべっているだけなので、会議中と言われても誰にも分かるはずもない。
っていうか、ここには他に誰もいないのだから、分かろうが分かるまいが、そんなこと元々どうでもいい話だった。
庭に向かって寝そべっている彼らの眼下には、なぜか広大な宇宙が広がっていて、3犬人ともその中の地球に全神経を集中し観察しているようだ。
寝そべっていたら眼下はどう考えても床か地ベタだろう?などと、つまらない詮索はやめてもらいたい。
とにかくケンタウルス、ケーン、ケンシロウの3犬人は愛玩犬の姿になり、食後のまどろみを友に、よもやま話を始めようとしていた。
さっきは会議といったが、よもやま話のほうがニュアンスが近いのでそっちに変更する。

いつもの様に次男のケーンが、三男のケンシロウに問いかけた。
「ケンシロウ、お前が火をつけた日本のアニメブームは、今や全地球を席巻しているそうじゃないか。スゴいなぁ」
「予定通りアジア、ヨーロッパを制覇して、アメリカでも賞を取らせました。しばらく日本はこれで食って行けるでしょう。アメリカ方面の根回しを手伝ってもらいケーン兄さんにも感謝しています」
「なんのなんの、簡単なもんさ。次はどういう筋書きなんだよ、ケンシロウ?」
「宮崎アニメの後継者と言われる若いクリエーターがいるので、彼の次回作にオスカーを上げちゃおうと思っています。その前にヨーロッパで賞を穫ってからアメリカに上陸という段取りです。ケンタウルス兄さん、ヨーロッパの根回しの方よろしくおねがいします。」
「了解、簡単なことさ」
「ありがとうございます。ケンタウルス兄さんが育てたルネッサンスや、ケーン兄さんが育てたハリウッドの映画産業に追いつく様に、僕もジャパン・アニメで頑張ります」
「ケンシロウが日本に最初にプレゼントした漫画文化はたしか"ノラクロ"だったよね。その後が鉄ワンアトム」
「はい。ノラクロは今思うと素朴な漫画でした。あの時は日本の事情を知る為に、雑種犬に変身して調査に行ったもんです。日本も当時は戦事下でね。今から7、80年前の話です」
「次に日本に行ったのは?」
「鉄ワンアトムの時です。日本が戦後の復興の階段を駆け上り始めている頃で、活気があって面白かったなあ」
「そう言えば、最近も行ってたじゃないか。"北斗のケン"だったっけ?お前、えらく肩入れして主人公の名前までケンシロウとは…」
「ちょっとやり過ぎでした。反省してます」
「あれは、何年前かな」
「もう25年も前になります」
「久しぶりに日本に行きたいんじゃないのか?」
「はい。そろそろ覗きに行ってみましょうかね」
「そうこなくっちゃ。実は、日本にトラブルに巻き込まれそうな気になるカップルがいるんだ。、それを救ってほしんだよ」ケーンは言った。
「えっ、アニメ文化の種まきの話じゃないんですか」
「お前もたまには人間の家庭に入って、気の毒な人を救うのもいいだろう」
「そんな細かい仕事は初めてです。人間を救えますかねぇ」
「それはお前の演技次第だ。まあなんとかなるだろう」
「ケーン兄さんは、そんな経験があるんですか?」
「いや。やった事がないからお前に頼んでいるんだ」ケーンの頬が赤く染まった。
「さては、お気に入りのルックスの娘を見つけたんですね?彼女は、日本のどこにいるんですか?」
「まあ、行ってのお楽しみと言うことで。長沢まさみと言うよりか、綾瀬はるかに似ている。名前は、大塚夕子ちゃん。ヨロシクな」
「はい、分かりました。久しぶりに日本探検をしてきます。ケンタウルス兄さんしばらく留守をします」
「そうと決まったらすぐに行け。迷える日本人に絆の大切さを早く教えてやるんだ。そうそう、日本は最近は物騒らしいから気をつけてな」
「はい、わかりました。お土産は何が良いですか?前回は、亀屋萬年堂のナボナでしたけど」
「そんなことどうでもいいから、早く行け!」
「では、行ってきます。お兄さん達、お元気で!」


続く…


鉄腕アトム/オープニング(1963)

田村充義(タムラ・ミツヨシ)
東京都出身/てんびん座、O型
早稲田大学卒。
ビクター音楽産業(現:ビクターエンタテインメント)で、
数々のヒットアーティストをプロデュース。
その後、音楽プロデュースオフィス(株)田村制作所を設立。
SPECTRUM、山田邦子、小泉今日子、とんねるず、嘉門達夫、広瀬香美
藤原ヒロシ、PORNO GRAFFITTI坂本真綾などをプロデュース。
無類のサッカー観戦好き。剣道3段
「仕事は楽しく面白く」がモットー。


posted by 「HEART×BEAT」事務局 at 11:30| Comment(0) | 田村充義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。