STAGE2 Back Number
タイトルをクリックすると、その物語のトップにジャンプします。
お好きなコンテンツをお楽しみ下さい!


杉林恭雄の珠玉のショートストーリーシリーズ

「YUMI」

「KOU」

「UMI」

「NAOKI」

「MICHIRU」

杉林恭雄氏のブログも、ぜひ訪問してみてください。
きれいなイラストと美しい散文が毎日アップされていますよ。(事務局大推奨)
くじらテレビもぜひ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

全編完結の連載小説はこちら!

「走る女」 by 田村充義
バブル絶頂期に知り合い、やがて別れてしまった恋女房。
オレは神宮外苑の周回路を走る彼女に、時を隔て再び出逢った。
Mid40世代の恋愛小説。

「ゾロ目の法則」 by 田村充義
小さな出版社でバイトをしていたわたしは、占い本の企画をしただけだったのに…。
いっぺんに訪れた歌手デビューと恋。さて気になるその行方は?

「宇宙の3犬人 〜Three Dog Knights」 by 田村充義
あなたの愛犬が、宇宙からの使者だったりして…。

「女子アナオールスター 」 by 田村充義
原宿に愛をはぐくむ縁結びの美容室があるとか…?!

「ゲンジツトウヒローのダックウォーク」 by 田村充義
エアギターに賭ける青春物語…。

「30年目のガールズトーク」 by 田村充義
45歳、独身。
30年後のクラスメイトたちの恋の行方は?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


田村充義氏の新作、
聞き録り屋と買い取り屋」完結。

平凡この上ない僕が始めたアルバイトとは…?

////////////////////////////////////////////



◆このブログが気に入ったら、つぶやいてみんなに知らせてください。

2009年10月29日

女子アナオールスター<1>

Story by 田村充義




ここは原宿駅にほど近い美容室、その名もネオ・クラシックな「原宿美髪」。
横長のスペースにシャンプー・チェア1席とセット椅子3席が並んでいるだけの狭い店内も、客が一人もいないせいで虚ろに広く感じられる。
シラケた空気にそぐわない軽快なBGMをバックに、店長のイチローとアシスタントの大輔がいつもの様に暇つぶしにダベり始めた。
「店長、チョ〜暇っすね。休み明けの水曜日なのに」大輔が言った。
雰囲気は空虚だけど、アロマを焚いているので店内の香りだけは爽やかだ。
「不景気だからなあ…」
「あちこちに“カットのみ1000円”みたいな激安店が出来ちゃって、客かなり取られてません?」
「それもあるね。この店も出来た頃は予約客が一杯だったのに、最近は電話も鳴りゃしない」
「覚えてますか?前の店の時、イチローさんがTVに取材されて。あの時は、予約がひっきりなしでした」
「それで、勢いがついてここを開いてからもう3年。早いなぁ…」
「また、TVとか出ないんですか?」
「出たくても、あれっきり話しはねえよ」
「じゃぁ、客がワンサカ来る様なこと、考えなくちゃですね」
「うん。いま人気がある物に便乗するってのはどうよ?」
「便乗?なにに?」
「たとえば今で言うと、ラーメンとかペットとかさあ」
「シャンプーの流し台でラーメン作るんすか?店中、豚骨臭くなります」
「ペットは?」
「店で飼ってる犬の名前を店名にしてる美容室は、原宿にもありますよ。イマイチ人気ないっす」
「じゃあ、餃子でも作るか」
「まったく…真面目に考えて下さい。この店の名前を決めた時みたいに真剣になりましょうよ」
「そう言えば、あん時は死ぬほど考えたね。仕事が終わった後ファミレスに集合して、終電まで一人100個くらい出し合ってさ」
「でも、最後は店長がエイヤって決めたんですよ。これからはアジアの時代だから、漢字の名前にしようって。すぐロゴ入りのお揃いのTシャツ注文したじゃないですか。カッコ良かったなぁ。憧れちゃいましたよ」
「“原宿美髪”の紹介記事の切り抜きを持って、中国からも韓国からもお客さんが来たもんだ」
「でも調子に乗ってTシャツ作り過ぎちゃいましたね。まだ200枚程残ってますよ」
「そんなことはどうでもいいから。何か無いわけ?グッド・アイディア」
「日本人て、ランキングとかベスト10とか好きじゃないですか。そんなのは、どうですか?」
「まったく何が言いたいのかさっぱりなんだけど」
「例えば、ジャニーズ系ベスト10とか、イケメンベスト10とかを独断で決めて、それをお店にはり出すんですよ」
「はりだすだけ?」
「はい…。ダメですかね」
「いやそんな事はないよ。少なくとも、お客さんとの会話の糸口にはなるな。いっそのこと、対戦形式にした方が盛り上がるんじゃない?」
「でも、ジャニーズとかイケメンはあんまり詳しくないし」
「なら思いつきで言うなよ。何か、大輔の詳しいジャンルはないのか?」
「女子アナとか?」
「女子アナ?!それ、面白いじゃん。写真も載せればヘアースタイル見本にもなって一石二鳥だ」
「女子アナ人気ベスト10!いいでしょう?!」
「ランキングというより対戦形式にするんだよ。女子アナ・オールスターとか銘打って、野球みたいに9回戦にするってのはどうよ?」
「それ、めちゃイイッすねえ。バカバカしくて」
「大輔のご贔屓アナは誰よ?」
「世間的にはアヤパンが一番人気ですけど、フジテレビ系はあまり好きじゃないんです。NTVの西尾由佳理とか、フリーになった小林麻耶とかかな」
「それだ!フジテレビ系とそれ以外で対戦させればいいんだよ。野球だから9人対9人での対戦だ」
「ますますくだらなくてツボに入ってきました。勝ち負けはどうするんですか?」
「そんなもんねえよ。客との会話でその場で適当に決めるさ。相撲だって、番付表見てるだけでなんとなく盛り上がるもんだろう?さてと、1回の表、フジテレビのトップ・バッターは誰よ?」
「フジは女子アナの質量ともに抜群です。野球に例えれば巨人。かつて他局から即戦力のアナウンサーを引き抜いて強くなったところも似てます。この前亡くなった頼近さんも、NHKからの助っ人でしょう?さてと、巨人のトップバッターは今年2年目の坂本だから、フジも2年目のカトパンからスタートでどうです?」
「カトパンって誰よ?加藤パン子?」
「加藤綾子ですよ、知らないんすか。フジが新人アナウンサーを冠にした番組を深夜で始めたら人気が出て、以来その枠から新人アナがブレイクするんですよ。アヤパンとかもそうですよ」
「分かった、分かった。じゃあ、1回表フジテレビの攻撃は、加藤綾子でキマリ」


続く…



Hair Cut 100 / Love Plus One


田村充義(タムラ・ミツヨシ)
東京都出身/てんびん座、O型
早稲田大学卒。
ビクター音楽産業(現:ビクターエンタテインメント)で、
数々のヒットアーティストをプロデュース。
その後、音楽プロデュースオフィス(株)田村制作所を設立。
SPECTRUM、山田邦子、小泉今日子、とんねるず、嘉門達夫、 広瀬香美
藤原ヒロシ、PORNO GRAFFITTI坂本真綾などをプロデュース。
無類のサッカー観戦好き。剣道3段
「仕事は楽しく面白く」がモットー。



posted by 「HEART×BEAT」事務局 at 08:30| Comment(0) | 田村充義 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。