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杉林恭雄の珠玉のショートストーリーシリーズ

「YUMI」

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「走る女」 by 田村充義
バブル絶頂期に知り合い、やがて別れてしまった恋女房。
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「ゾロ目の法則」 by 田村充義
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「女子アナオールスター 」 by 田村充義
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聞き録り屋と買い取り屋」完結。

平凡この上ない僕が始めたアルバイトとは…?

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2009年02月26日

走る女 1

Story by 田村充義

(待つ男1)〜冬の散歩道/サイモンとガーファンクル



銀杏並木に面したこの店には、何回来た事だろう。そして、何人の女と会った事だろう。
季節ごとに表情をコロコロ変えるのが好きなんだけど、どの季節に来ても自分なりのこの通りのテーマソングは、いつも“冬の散歩道”だ。
夏に来ても春に来ても、これしか頭には鳴らないんだ。
ドラマのワンシーンとかでここが映る時に、色々な曲がBGMに流れてはいるが、自分ではどうもしっくり来ない。
毎回“冬の散歩道”にして欲しい位だ。

見かけはさておき、40代に突入してから意固地にもなり、過去を振り返る事も多くなった俺は、ついでに首の運動を装って何回も後の方を振り返り、楽しげに話している二人組の女性に、怪訝な目で見られた。
「大体あいつが、10分も待たせるからいけないんだよ」と独り言。
最近ますます気が短い俺は、すぐ人のせいにする。

あの頃は、「小泉元首相が初めて総裁選に立候補する時に使った店なんだよ」ってウンチクを使って、よくこの店の説明をしたもんだ。
その後少し話を膨らまて、その時はX Japanの“Endless Love”を流したって話もあるよと付け加えて、「嘘〜」って一緒に来た女の子に言わせてなごませる術も、自分の中では流行ってたっけ。
時代考証が曖昧なエピソードなのにね。


(待たせる女1)〜散歩道/JUDY AND MARY



いわゆるバブル当時は、青山のツインタワーの中にある会社でデザイナー、コーディネーターをやっていて、仕事終わりの女の子との飲み会で、六本木、乃木坂方面に向かって行く先輩達とは逆の方に歩いていき、偶然この店を見つけた。
団体行動は昔からあまり得意じゃないし、みんな一緒に飲んでいてもどーせ先輩にいい所を攫われるのがオチだから、抜け駆けして個人行動に走ったという訳だ。
「あいつは仕事は出来るけど、付き合いが上手くない」って言われても、行動様式は変えなかった。
結局会社を辞め、よく言えば独立して、今は代表取締役という名刺を持つただのフリーランス。

でもやはりこうして昔の会社の近くをうろついているんだから、そんなにあそこが嫌いだった訳でもなかったんだろう、なんて真面目な事を考え始めたら、20分遅れてやっと奈穂美がやって来た。
「待った?」って訊くから「100年ぐらい」って返したら、「何それ、古くない?」と言われた。
「何食べようか?私はパスタ」って、遅れた言い訳もしないし、謝りもしないで、奈穂美は早速メニューを見始めている。

こういう女が好きなんだったっけとよく考えるけど、こういう女がいつも周りに居るってことは、こういう女が好きってことだよなって、いつも自分を納得させるんだ。
本当かどうかは知らないし考えるモンじゃなくて、感じるモンだかしょうがないやとも思う。
多分この店に来る途中の彼女のテーマソングは、奈穂美の年頃だとJUDY AND MARYの“散歩道”辺りなんだろうなぁ。
大きく口を開けて歌うYUKIちゃんを真似して放課後に歌っていたのかも知れないなんて、想像をしてみる。



2に続く…



posted by 「HEART×BEAT」事務局 at 09:19| Comment(0) | 走る女 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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